一卵性双生児の如く
私とそっくりな者が
目の前のすこし先を
しずかに歩いている

私に双子の兄弟はいない
でも他人の空似にしては
あまりにも似すぎている

もしかしたら彼は
ドッペルゲンガー
なのかもしれない

私自身の歩く後ろ姿を
じっくりと見ることは
心の片隅の狭い隙間に
びくびくと隠れている
小さなネズミのような
あえかなやるせなさが
コソコソと蠢くような
感覚を私にもたらして

ドッペルゲンガーは
何ゆえに現れたのか
ドッペルゲンガーは
何を求めているのか
ドッペルゲンガーは
何処へ歩みゆくのか

私の代わりに
美味い食事に
ありつくのかもしれない

私の代わりに
車に轢かれて
くたばるのかもしれない

彼に友はいるのだろうか
それ真の友と呼べるのか
仮初めの友ではないのか
本当は孤独ではないのか

ドッペルゲンガーとは何者か
この宇宙の質量保存の法則を
無言の内にせせら笑うが如く
私の目の前にその姿を現した

気がつくと彼は姿を消していた
何処へいったのかはわからない
またいつか目の前にあらわれる
そんな日が訪れるかもしれない

どこにいても彼が観ている
そんな気が拭えないでいる