自分には何の能力もない
自分はダメな奴だ
と嘆くとき

その嘆きの内に
力を見いだせるだろうか

自分に何かできるのか
何か期待できるのか

その疑問の中に
光を宿せるだろうか

己の無能
己の無力
その深い絶望という
濃い霧の中で
彷徨っているかの如く
感じるとき

ときに霧が
幽幻な景色を
見せてくれるように

深い絶望が
この「私」を組み上げている
「時」を解きほぐし
今在る私が拡散してゆき
大気の中に溶け出していった
その後に

解体された時の虚に
己の意思を超えた
存在の根底が
厳然と姿を顕す

そのとき
はじめて知るのだろう
己の無能や無力を
思い知らされたのは
ひとつの
恵みだったことを