やわらかな
春陽のもとに
鬱金桜の花が咲く

開いてから
散りゆくまでの
僅かな間にも

淡い黄色の花弁に
桃色の彩を
まといゆく鬱金桜

うつろう
その花色は
あたかも
人がその生の間に
己が色を
まとうかのよう

旧き友もまた
昔のままで
在ることはなく

その生を刻む日々の内に
優しさと
寂しさとを
幾重にも塗り重ねた
時の彩をまとい
彼の花色を顕してゆく

八重に咲く鬱金桜は
移ろいゆく
無常の色を顕しながらも
その彩を
人の心に遺して散る

我という花は
散りゆくときに
どんな彩を
顕しているだろう

あの友のように
耀変の如き
深い彩を
まとえているだろうか

霞む春空に
弧を描く虹を夢見る
視線の端に
鬱金桜の優しい淡黄が
微風に揺れる