私はなぜ
私なのだろう

私が
私という存在である
ということ

その決して
変えられぬ事実が
私にとって
重荷となっていて

重い重い十字架を
肩に食い込ませ
よろけながらも
歩いている

私は
私であることの
罪により
磔刑に処せられるのだ

でもその処刑は
誰をも救い得ない

それにより救われるのは
私自身のみ

でもいくら
歩いても歩いても
刑場の丘は
遥か彼方のまま
見えてこない

眼に映るのは
土埃に霞む
朧な地平ばかり

いつになったら
私はこの苦役から
解放されるのだろう

その日を望み
毎日毎日よろけながらも
この苦難の道を
歩いている