色かたちのない不安が
血潮に乗って
全身を駆けめぐる

指先やまつ毛までに
ゆき渡る不安は

じわりじわりと
私を苦しめるけれど

それと同時に
この靄の如き不安は

世界に働きかける
原動力ともなり得る

不安そのものの
有り無しではなく

それに導かれた
世界への働きかけが
吉と出るか凶と出るか

それがその人の
器量となるのだろう