燃え始めた
朝焼け空を背に
浮かび上がる家々の
黒いシルエット

いまだ眠る家々
眠っているが
死んではいない

微かな息づかいが
聞こえてくる

その中を走る
一本の川

思惑の川
漆黒の家々より
夢と共に溢れだした
様々な思念が
ひとつの流れとなって

深い霧に覆われた
明日という名の
海へ向かって流れゆく

やがて陽が顔を出し
家々が色を取り戻すと

思惑の川も
明日という名の海も
見えなくなった

夜と昼との狭間
ほんのひととき顕れた
あえかな幻想