今という時の彼方より

私は通り過ぎた
全ての貝殻の欠片を
拾い集め
七色に輝くものも
色褪せてしまったものも
残らずこの小箱に入れて
鍵をかけてしまおう

今という時の彼方へ

まだ見ぬ曙光を
まだ訪れぬ暗流をも
全てせき止め
彩られることも
穢されることも
決してないように
この脆弱な門扉を
常に閉ざしていよう

今という時の彼方へ

私は
私独りのみで
両の手には
何一つ持たずに
歩んでゆこう

私というものは
今という瞬間にしか
存在しない

限りなく無に近い
今という瞬間が
私という存在
そのものなのだから

今という時の彼方より

微かに聞こえつつある
安らぎへと導くうたを求めて

今という時の彼方へ
躊躇うことなく
怯むことなく
私は独りで歩んでゆこう