立ち枯れた木より
萌えでる新芽の幻

透き通った枝葉は
喪われた木々の魂より
析出された哀しみ

一本だけ抜け落ちた
鳥の羽根

雨に濡れて
地にへばりつき
朽ち果てる寸前に

懐かしい高空の
風を切る夢を見る

何もない

闇も光もない
空間を

刹那という
微粒子だけが
流れている

消滅と生成との
狭間に潜む

鈴の音のような
銀色の沈黙に
耳を澄ますとき

立ち枯れた木の

抜け落ちた羽根の

変遷する
虚実への接線が暗示する

この生の
あえかな存立を垣間見る