大きなビルの脇
僅かな敷地に立つ朱い鳥居
その奥に建つ小さな社
その社の前には
巻物と玉をくわえて座っている
白い狐の像
街角の小さな稲荷神社
コンクリートと鉄と
ガラスとアスファルトに囲まれた
古の穀物の神は今
人々を何から守っているのだろうか
かつてはこの地で
民の生きる糧を守る神として
篤い信仰を集めていたこの社も
今では街の片隅に追いやられ
その信仰も形だけのものとなり
手を合わせる者の姿はない
今この神は嘆いているのだろうか
誰からも相手にされなくなった
偏屈な老人のように
怒っているだろうか
それとも
愛するものを失ったばかりの
若者のように
悲しみ絶望しているだろうか
あるいは
きらびやかな玩具に夢中になり
家が燃えていることに気付かず
遊び惚けている
子供たちを見るかのように
もしくは
薄氷の上にいることに気付かず
焚き火の周りで酒を飲んで騒いでいる
若者たちを見るかのように
憂い心痛めているのかもしれない
神の心を推し量ることはできないが
この小さな社に住まう稲荷の神は
いつかまたこの地に
飢える人々が溢れる日が来ることを
予期しているのかもしれない
ビルの谷間に佇む小さな社は
沈黙したまま
静かに街を見守っていた
僅かな敷地に立つ朱い鳥居
その奥に建つ小さな社
その社の前には
巻物と玉をくわえて座っている
白い狐の像
街角の小さな稲荷神社
コンクリートと鉄と
ガラスとアスファルトに囲まれた
古の穀物の神は今
人々を何から守っているのだろうか
かつてはこの地で
民の生きる糧を守る神として
篤い信仰を集めていたこの社も
今では街の片隅に追いやられ
その信仰も形だけのものとなり
手を合わせる者の姿はない
今この神は嘆いているのだろうか
誰からも相手にされなくなった
偏屈な老人のように
怒っているだろうか
それとも
愛するものを失ったばかりの
若者のように
悲しみ絶望しているだろうか
あるいは
きらびやかな玩具に夢中になり
家が燃えていることに気付かず
遊び惚けている
子供たちを見るかのように
もしくは
薄氷の上にいることに気付かず
焚き火の周りで酒を飲んで騒いでいる
若者たちを見るかのように
憂い心痛めているのかもしれない
神の心を推し量ることはできないが
この小さな社に住まう稲荷の神は
いつかまたこの地に
飢える人々が溢れる日が来ることを
予期しているのかもしれない
ビルの谷間に佇む小さな社は
沈黙したまま
静かに街を見守っていた