上場企業の評点を検証する | OX理論が測る企業価値

OX理論が測る企業価値

26年前、資金繰りに特化した財務分析手法が産声をあげた。
それは、【あらかん】から【OX理論(アラーム管理システム)】へと進化を遂げた。
【OX理論】を土台として、企業分析にいそしむALOX社専属ライターのメールマガジン、それに付随するこぼれ話を掲載。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2009.2.27
オックススタンダードメールマガジン 『 S T A N D A R D 』

上場企業の評点を検証する       <編集:HNW>
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昨日(2009年2月27日)、大証2部上場の
トミヤアパレル株式会社が倒産した。

上場企業の倒産だが、マスコミにおける扱いは極めて小さい。
今年に入って11社も倒産しているので無理もない・・・か。


上場企業倒産のニュースバリュは低くなった。
“未曾有”の大不況ゆえに、倒産は今まで以上に起こり、
ある意味では“普通”の出来事になった。


“普通”に企業審査を行わない企業は、“普通”に起こる倒産に
よって窮地に陥る。自明すぎるくらい自明である。


それでは、OXメルマガ『 S T A N D A R D 』をお楽しみください。

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上場企業の評点を検証する
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【上場企業の格付評点分布】
東洋経済新報社より、上場企業の財務データを購入している。
アラーム管理システムで分析した結果、2008年度の評点分布は
下記の通りである。


<2008年評点分布>
〔点数〕 〔社数〕 〔比率〕
91~100  532    17.0%
81~90   898    28.7%
71~80   723    23.1%
61~70   430    13.7%
51~60   242    7.7%
41~50   95     3.0%
31~40   91     2.9%
21~30   50     1.6%
11~20   54     1.7%
1~10   15     0.5%
0以下   4     0.1%
合計   3,134   100.0%


<集約結果>
40点以上 2,920   93.2%
40点以下  214 6.8%


※①
アラーム管理システムは、40点以下を破綻状態と判定する。

※②
・年度は1月から12月で集計
・現時点で決算書を入手できている企業が対象
・連結、単独の両方の決算がある場合は、連結の分析を優先


※③
詳細は下記グラフ参照


≪年度別格付評点分布表≫
〔PDF〕
http://www.ox-standard.co.jp/pdf2/bunpu1.pdf
〔画像〕
http://www.ox-standard.co.jp/pdf2/bunpu1.emf



≪格付評点分布グラフ≫
〔PDF〕
http://www.ox-standard.co.jp/pdf2/bunpu2.pdf
〔画像〕
http://www.ox-standard.co.jp/pdf2/bunpu2.emf




【40点以下の企業が増加中】
注目点は、40点以上/40点以下推移である。


        2005年 2006年 2007年 2008年
40点以上社数  2,945 3,075 3,177 2,920
40点以下社数 154 161 185 214
合計     3,099   3,236   3,362   3,134


≪40点以上/40点以下推移≫
〔PDF〕
http://www.ox-standard.co.jp/pdf2/bunpu3.pdf
〔画像〕
http://www.ox-standard.co.jp/pdf2/bunpu3.emf




2009年2月27日時点では、2008年度(1月~12月)の決算書を
全て入手できていない。
それにも関わらず、アラーム評点の危険水域(40点以下)を
下回る会社214社もある。

『214社は多すぎる!』と感じる人もいるだろう。
しかし、決して多くない。
むしろ、少ないぐらいである。



【FLASH掲載企業評点の検証】
2008年9月16日号のFLASHに
『7業種アラーム格付評点ワースト20』が実名入りで掲載された。

その中で、特に信用不安が高まっている不動産・建設業について
アラーム評点の検証を行った所、非常に興味深い結果となった。



掲載された不動産・建設業40社の内、
           16社が倒産や上場廃止となっていた。




<倒産及び上場廃止となった企業名>
平和奥田
ダイナシティ
旭ホームズ
キョーエイ産業
Human21
土屋ツ-バイホ-ム
シーズクリエイト
リプラス
松本建工
ダイア建設
東新住建
機動建設工業
ディックスクロキ
オリエンタル白石
伊田テクノス
山崎建設



≪2008年9月16日FLASH掲載企業検証≫
〔PDF〕
http://www.ox-standard.co.jp/pdf2/flash.pdf
〔画像〕
http://www.ox-standard.co.jp/pdf2/flash.emf


 ※
 画像及びPDFの表に置いて、「?」となっている企業名を
 記載した一覧表をご希望の方は下記までメールを送付願います。

 件名:一覧表送付希望
 メールアドレス: oxmail@ox-standard.co.jp



【総括】
財務力だけで、企業の存続が決まるわけではない。
しかし、財務が安定していれば、
景気が悪くなっても
風評被害を受けても、
取引先が倒産しても、
耐久する余力があると言っても問題ないだろう。


今、上場企業の体力は極めて弱くなっているのは間違いない。



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【編集後記】
「戦後最大の不況」「100年に一度の危機」「資本主義の崩壊」
などなど・・・、不況に絡むこういった報道やキーワードには
うんざりしている。
(個人的には、『どうでもいい』と思っている。)


できれば、これからを語るようなキーワードが欲しい。
今後は「こうなる!」といった未来予測やグランドデザインが
欲しい。


とはいえ、欲しがっているばかりでは、何も始まらないし
変わらない。
自らを変革する勇気を個々に持つことが大事なんだろうと
思う日々です。


「今日は何をしたのか分からないような日」
だけは送りたくないと思うのは、オバマ演説や昔のケネディ演説
などに感化されたような気がします。(HNW)


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