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不一致係数と粉飾係数②~木村建設~
不一致があって耐久力もなければ粉飾係数の得点は高い
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本日は、不一致係数と粉飾係数の解説第2弾として、
木村建設の事例をご説明致します。
【事例②-木村建設の場合-】
粉飾の手口
・債務超過だったのを黒字と偽った
(2004年6月期が約13億4000万円の債務超過だったにもかかわらず
約4億3100万円の黒字と偽った財務諸表を国土交通省に提出。)
Alarmの評価(2004年6月単独)
●不一致係数:3
●粉飾係数:0
●OX格付:27点
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木村建設(2004年6月単独 分析表1~2)
http://www.ox-standard.com/analysis/pdf/kimura12.pdf
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【なぜ木村建設の不一致係数は3点なのか?】
木村建設は、「売上高と販売債権」「在庫と仕入債務」の推移から
異常な数値(不一致額)が28億3650万円となりました。
月商の3.3倍です。Alarmでは3.3倍の不一致額は過大と評価し、
点数を3点としています。
【なぜ木村建設の粉飾係数は0点なのか?】
不一致係数から導き出された不一致額から「見なし粉飾額」を
抽出すると19億325万円となります。
この19億325万円が木村建設にとって"重いのか軽いのか"が
問題です。当時の木村建設には、Alarmにおける自己資本である
支払余力額が5億5657万円しかありませんでした。
「見なし粉飾額」の約0.29倍の数値となります。
つまり、木村建設には自社の体力をはるかに超える不一致額が
あると判定されます。その結果、0点と評価になります。
先週お伝えしたネクストウェアとは違い、木村建設は耐震構造
計算書の偽造問題が発覚後、すぐに破綻しました。
これは、詰まる所、突発的な出来事に対する耐久力
(自己資本≒内部留保)が無かったからに他なりません。
一方、同じ“衝撃”を受けたヒューザーは、充実した内部留保に支え
られて、しばらくの間は事業継続していたのはご承知の通りです。
次号は、「不一致係数と粉飾係数のまとめ」を送付します。
発行元 オックススタンダード(株) http://www.ox-standard.co.jp/