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たけうち倒産の余波~上場企業への影響~
繊維系企業に連鎖倒産リスク発生
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●会社概要
社名 たけうち
業種 呉服販売チェーン
所在地 京都府京都市下京区烏丸通仏光寺下る
大政所町678-2
破綻日 2006年8月31日 自己破産
負債総額 200億円
●予想外の倒産
多くの企業にとって、たけうちの倒産は晴天の霹靂でした。
そのため、回収不能の債権が続出し、多数の連鎖倒産を
招いています。
上場企業についていえば、適時開示の法令に従い、
「債権の取立て不能又は取立遅延のおそれに関するお知らせ」を
掲載している企業があります。
ツカモトコーポレーション 債権額 5億700万円(グループ合計額)
http://www.tsukamoto.co.jp/ir/pdf/060901saiken.pdf
ウライ 債権額 10億3600万円
http://www.urai.co.jp/ir/pdf/200609_saiken.pdf
市田 債権額 3億9300万円
http://www.ichida.co.jp/ir/PDF/20060901.pdf
●債権額の比重は?
今回の焦付きが、どれだけ利益を圧迫するのか検証しました。
≪シミュレーション算式≫
貸倒引当金-債権額≒特別損失
経常利益-特別損失≒来期の経常利益
※①売上高及び経常利益は、決算短信に掲載されている
2007年度の予想額を利用
②貸倒引当金は2006年度の実績を引用
③全ての債権を回収不能と仮定し、特別損失に計上
④全て百万単位で記載
■ツカモトコーポレーション(2007年売上高予想 30,000)
経常利益 1,400
貸倒引当金 26
債権額 507
26-507=-481(特別損失)
1400-481=919(来期の経常利益)
■ウライ (2007年売上高予想 19,200)
経常利益 600
貸倒引当金 23
債権額 1,036
23-1,036=-1,013(特別損失)
600-1,013=-413(来期の経常利益)
■市田 (2007年売上高予想 16,600)
経常利益 370
貸倒引当金 49
債権額 393
49-393=-334(特別損失)
370-334=36(来期の経常利益)
●耐久力が問題
ビジネスにおいて、不測の事態に遭遇するのは致し方
ないことです。
重要なのは、直面した事態に対する様々な耐久力です。
OX理論では、主に資金繰りの耐久力を評価しています。
上記3社の耐久力はどうなっているのでしょうか?
本日(9月22日)も、次田株式会社がたけうちに連鎖して
自己破産しています。負債は約55億円です。
発行元 オックススタンダード(株) http://www.ox-standard.co.jp/