たけうち倒産の余波 | OX理論が測る企業価値

OX理論が測る企業価値

26年前、資金繰りに特化した財務分析手法が産声をあげた。
それは、【あらかん】から【OX理論(アラーム管理システム)】へと進化を遂げた。
【OX理論】を土台として、企業分析にいそしむALOX社専属ライターのメールマガジン、それに付随するこぼれ話を掲載。

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 たけうち倒産の余波~上場企業への影響~


 繊維系企業に連鎖倒産リスク発生

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 ●会社概要
 社名         たけうち
 業種         呉服販売チェーン
 所在地        京都府京都市下京区烏丸通仏光寺下る

             大政所町678-2
 破綻日 2006年8月31日 自己破産
 負債総額 200億円



 ●予想外の倒産
 多くの企業にとって、たけうちの倒産は晴天の霹靂でした。
 そのため、回収不能の債権が続出し、多数の連鎖倒産を

 招いています。

 

 上場企業についていえば、適時開示の法令に従い、

 「債権の取立て不能又は取立遅延のおそれに関するお知らせ」を

 掲載している企業があります。

 


 ツカモトコーポレーション 債権額 5億700万円(グループ合計額)
 http://www.tsukamoto.co.jp/ir/pdf/060901saiken.pdf


 ウライ 債権額 10億3600万円
 http://www.urai.co.jp/ir/pdf/200609_saiken.pdf
 
 市田 債権額 3億9300万円
 http://www.ichida.co.jp/ir/PDF/20060901.pdf




 ●債権額の比重は?
 今回の焦付きが、どれだけ利益を圧迫するのか検証しました。


 ≪シミュレーション算式≫
 貸倒引当金-債権額≒特別損失
 経常利益-特別損失≒来期の経常利益


※①売上高及び経常利益は、決算短信に掲載されている
   2007年度の予想額を利用
  ②貸倒引当金は2006年度の実績を引用
  ③全ての債権を回収不能と仮定し、特別損失に計上
  ④全て百万単位で記載




 ■ツカモトコーポレーション(2007年売上高予想 30,000)
 経常利益      1,400
 貸倒引当金     26
 債権額        507
 
 26-507=-481(特別損失)
 1400-481=919(来期の経常利益)




 ■ウライ  (2007年売上高予想 19,200)
 経常利益      600
 貸倒引当金     23
 債権額        1,036
 
 23-1,036=-1,013(特別損失)
 600-1,013=-413(来期の経常利益)

 
 
 ■市田  (2007年売上高予想 16,600)
 経常利益       370
 貸倒引当金      49
 債権額        393
 
 49-393=-334(特別損失)
 370-334=36(来期の経常利益)




 ●耐久力が問題
 ビジネスにおいて、不測の事態に遭遇するのは致し方

 ないことです。

 重要なのは、直面した事態に対する様々な耐久力です。

 OX理論では、主に資金繰りの耐久力を評価しています。 

 

 
 上記3社の耐久力はどうなっているのでしょうか?

 本日(9月22日)も、次田株式会社がたけうちに連鎖して

 自己破産しています。負債は約55億円です。



発行元 オックススタンダード() http://www.ox-standard.co.jp/