事業を承継する後継者には、①親族内での承継、②M&Aなど外部の第三者、③役員・従業員と、大きく分けるとこの3つが考えられます。
日本の事業承継の実態としては、①親族内での承継で約6割、②M&Aなど外部の第三者、③役員・従業員を合わせて、約4割とのデータも出ているようです。
そして、その手法の選択にあたっては、それぞれ利害関係者の関心事を押さえておく必要があります。
また、誰に事業を承継するかについては、それぞれのメリットとデメリットがあります。
◆誰を候補者にするか - 承継先ごとのメリット・デメリット
| 親族内承継 | 従業員等への承継 外部からの雇い入れ | M&A |
メリット | ① 一般的に、内外の関係者から心情的に受け入れられやすい。
② 後継者を早期に決定し、後継者教育等のための長期の準備期間を確保することも可能。
③ 相続等により財産や株式を後継者に移転できるため、所有と経営の分離を回避できる可能性が高い。 | ① 親族内だけでなく、会社の内外から広く候補者を求めることができる。
| ① 身近に後継者に適任な者がいない場合でも、広く候補者を外部に求めることができる。
② 現経営者が会社売却の利益を獲得できる。 |
デメリット | ① 親族内に、経営の資質と意欲を併せ持つ後継者候補がいるとは限らない。
② 相続人が複数いる場合、後継者の決定・経営権の集中が難しい。(後継者以外の相続人への配慮が必要 | ① 親族内承継の場合以上に、後継者候補が経営への強い意志を有していることが重要となるが、適任者がいないおそれがある。
| ① 希望の条件(従業員の雇用、価格等)を満たす買い手を見つけるのが困難である。
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(参考:中小企業庁「事業承継ガイドライン20問20回答」)
後継者がいれば親族内承継をすぐに検討できますが、昨今問題になっているようい、後継者がいないという状況では、M&A、従業員への事業承継ということになります。また、最近のデータをみていると、M&A、従業員への事業承継が徐々に増えてきているようです。
http://www.chusho.meti.go.jp/koukai/kenkyukai/jigyousyoukei/2014/140331sk1.pdf
(参考:中小企業庁委託調査「中小企業の事業承継に関する調査に係る委託事業報告2012年11月)
10年後に迎える、経営者大交代の時期に備え、事業継続するためには、今から、後継者候補を検討する必要があるのですが、中小企業庁などの、事業継続についての意向の調査を見てみると、後継者難が事業継続の深刻な問題になっていることが分かります。
また、後継者が決定している企業の後継者の内訳を見てみると、その承継先に変化が表れていることがわかります。
20年以上前は、後継者候補として親族を挙げる中小企業が約9割となっていたことと比べ、少子化等も背景に親族外承継も視野に入れて後継者を検討する企業の経営者が4割を超えていることがわかります。
親族内承継が難しい中、M&Aまたは、役員・従業員などの、親族外承継ということも、注目ですね。
