中小企業経営者の知恵袋

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従業員と創業者が共同で、株式を所有し、全員経営を実現する「コー・オウンド・ビジネス」。

 

昨年、2016年の夏にコー・オウンド・ビジネスの事例研究のために訪れたのは、米国ボストン。
ボストンというと、ハーバード大学、MIT、バークリー音楽大学など、学びの場としても有名ですが、ユニークな企業が多い地でもあります。

 

1.Harpoon Brewery(ハプーン・ブリューワリー)とは?

 

 最初に、訪問させていただたい会社は、Harpoon Brewery(ハプーン・ブリューワリー)というビール会社。

 

ボストンの地ビールといえばSamuel Adamus(サミュエル・アダムス)とHarpoon。日本では、あまり知られていないと思いますが、両方ともボストン市内にブリュワリーをかまえ、地元の人たちのみならず、愛されるビールを造っています。

 

 Harpoonは、2014年8月に、コーオウンド化し、現在では、48%を従業員が株式所有し、注目を集める会社です。

 

 今回、本社に訪問させていただき、社長のチャールズにお話を伺う機会をいただきました。
Harpoonは、1986年ビール好きの3人の共同創業者でスタート。ヨーロッパを旅し、ビールの味わいの深さに目覚め、本当においしいビールを、地元のボストンでも作りたい・・・そこから、彼らのビール造りが始まります。

 

2.創業者の哲学の実践と、コーオウンド

コー・オウンド化したその背景には、創業者のダン・ケネリーの“ビールや利益よりも、まずは「人」”という哲学があります。

 

 共同創業者の一人が、事業から身を引きたいと言い出したとき、自社を大手に売却して大金を得ることも、別の出資者を探すこともできた中で、従業員が株を所有する形をとったのは、「従業員たちに、我が社の価値形成に全面的に貢献しているという意識を持ってもらいたかった」からだといいます。

 

3.インタビューからの学び 
 実際に社員の方々にお話を伺うと、まるで、自分が創業したかのように、会社の歴史を皆よく知っていて、また、毎日、会社に行くのが楽しいと笑顔。
 雰囲気は家族的で、誰もが創業者や社長にも気軽に話せるオープンな環境。また、社員の経営参画意識は高く、特に、イベントなどでは、分担を前もって決めることなく、自発的に集まり準備して、プロジェクトを完了していくという。


 インタビューを通じて、社員方々の幸せさが伝わり、ますますコーオウンド化のすばらしさを実感しました。

 

(株)オーナーズブレイン 小泉大輔