僕は見上げた
青い空でも
思い出に笑う両親の笑顔でもない
ただ一本の
電柱に
刻まれたその高さを、だ
別に悲しいわけでも
別に苦しくなるわけでもない
戒めは
もう、十分に焼き付いた
この目にも
耳にも
鼻にも
皮膚にも
砂利を含んだ口にも・・・
知らん顔する神様に文句を言っても
届かない
ただ、ただ、静かな海に、空に叫んでも
虚しくて無駄だ
それは
全然見上げる理由にはならない
僕が見上げる本当の理由
その高さより
小さかった
ちっぽけだった
それを
実感するためだ・・・
それだけのために
許された時間
こうして見上げているのだ
by梟霊