亡くしたものを求めて
足を運ぶ
あの日は確かに訪れる
けれども
その日ではない
ただ
同じ曜日というだけ
刻まれた記憶は
思い出という箱に分けられて
同じではない
同じ場所を
見つめ続ける歳月
まるで
戻ることのできない
螺旋階段を下っているような
ここちは
何なのだろう
振り向けば
必ず灯るその灯りは
一直線にあの場所へつながっているというのに
心は思い出したくないと
遠ざかる
けれども逢いたいと体が
近付いていく
互いが互いと引きずって
最後は
虚しく眺めた
白いさざ波と
誰もいない砂浜
一段、二段と高くなった
防波堤から
緩やかな曲線を描く大海原を望み
燻った想いに
何かをくべて
また燃え上がらせた
きっと昔は
悔しいと憎いと考えたことだろう
でも
今は‥‥‥
忘れないようにするだけで
必死な私は
その日を
その火を
消さないようにしている矛盾を抱え
迎え
そして
通り過ぎた‥‥
by梟霊