死ぬのは怖い
死にたくは、無い
幸せならば
尚のこと
生きて居たいと願う
ただ
安楽死というものが
もしも
手軽に出来たなら
僕らは
その幸せになれるまで
何人の死を
目撃しなければならないだろうか
何人の灰を送り
何人の遺影を見つめなければならないだろうか
そして
何人が
生き残るのだろうか
大人と呼ばれる頃までに…
もしも
安楽死というものが
当たり前になったなら
きっと
この星は
静かになっていくだろう
きっと
この星の自然は
豊かになっていくだろう
便利な世の中は
後退を繰り返し
むかし
むかしへと戻っていく
それは
いつしか
安楽死そのものが
消える頃
人は
人としての死の価値を
取り戻してくれるのだろう
そして
また
死を恐れるのだ
でも…
きっとそれは
黄昏時
手遅れで
道という道に動く影は
草ばかり
最後の一人が
幾ら泣こうとも
生きたいと叫んでも
もう
戻ることのない
幻となっているだろうな
by梟霊