一本の電話
父からだった
何の変哲もない世間話で終わるだろう
そう思っていた
ただ、その先に居たのは
父の声で、思い込みと被害妄想で罵詈雑言を浴びせてくる
誰かだった
一方的に責め立てられた後
二度と—、切られた
何が起きたか解らなかった
ただ、心のどこかで
こうなるとわかっている私が居た
一年前の笑顔の父と談笑した
あの頃がとても遠く
懐かしい
その頃の交わした約束
出来れば訪れないことを祈っていたが・・・
一息。
父の電話番号を消して
着信拒否にした
あとは
死ぬのを待つだけ
いつもより遠く感じる
夏の青空
多分
普段より長く感じる我慢比べの始まり
静かで虚しく
記憶の中の乾いた風と
見えない涙と共に
それを履行した
後は
ただひたすらに
父の体に入っている意識にむかって
心の中で問いかけた
あなたは、だあれ?
と・・・
by梟霊