がんばろう・・・
1巻き
引き締めたのは
心だろうか
意思だろうか
ただ一本の布切れで
変わるわけでもないのに
僕は
空への入口へ片足をかけて
ゆっくりと
乗り込んだ
あぁ・・・
雲よ
今、そこに行くよ
例えそれが、逝くだけの一時だったとしても
あの頃の希望とともに並走できるのだ
素晴らしいじゃないか
がんばろう・・・
ハチマキは揺れる
一時の夢から覚めて
泣いて
鳴いて
その翼の声がとぎれとぎれ
あぁ・・・
雲よ
さらば
さらば
ありがとう
ありがとう
赤い蛍が待ち伏せている海へ
流れていく
願わくば
夢は、夢のまま
地に足がついていたならと
ほどけて燃えていく
それを
おもむろに見送った瞳が
現実の中を泳いでいた
ｂｙ梟霊