要らないものを捨てた部屋
服も趣味も無くなって
寂しくなるけれど
広くなったその場所は
風が通り
心地よい
私の心も記憶も
捨ててしまえればいいのに…
にわか雨のように
通り雨のように
ふと…考えて…
ふいに思った…
誰か、この世界から
私を捨てないかな…
さっぱりとして
物、最低限の部屋
楽しみと言えば
スマホを流すか寝るばかり
楽しい時も苦しい時も
そこに在ったはずのものは
箱の中
どこか呆気なく
こういうものかと諦めた小さな世界は
鳴き虫達の歌声と月の光と
乾いて、ひんやりとした空気で
満たされていた
あぁ…、私もそれに混じれたら…
私という異物を感じながら
闇の、そのまた先へ
今日も落ちていく…
梟霊