雨の中で横たわる
見慣れた人の
虚ろな瞳
悲鳴も涙も通り過ぎ
見上げて
遥か先の
角を見つめていた
打ち付ける音が
遠ざかって
慌てる人の奔流に
取り残された
私・・・
昨日までは
すぐそこで
笑ってたのに・・・
遺書も伝言も
全てが君のウソのように思える
周囲の言い訳も
憶測も
どこか外れているように思える
瞳を閉じた先で
未だ
虚ろな光をこちらに向けている
今にも手を伸ばしてきそうな
今にも叫び出しそうな
逝きた幻
墓標の下に居る筈なのに
流し続けている
泣き続けている
本当の声を
終い込んで
何か言いたげに
俯いた私を
叱りつけているようだ
いったい誰が
覚えているのだろう
10年後、20年後
いったい誰が
覚えているのだろう
その人の声も、顔も
その時の姿を
きっと
きっと
私だけだ
好きな人が出来て
結ばれて
一時忘れても
何かのきっかけが在れば
すぐそこに横たわって見上げている
心臓を握ってくる
罪を背負った覚えはない
罪を掻き消した覚えはない
ただ居合わせた
それだけで
苦しみが
憎しみが
哀しみが
全て抱きしめてくる
それが
独りになった時
一気に押し寄せて
私に雨だよと
気付かせる
それが
流せるはずの罪も
消えてはくれないと
言っているようで
大嫌いだった・・・
by梟霊