僕の心臓は嘘をつく
計測機器の傍では
何食わぬ顔で動いているのに
誰も見ない
一人きりの時
頼んでもないのに動き出す
それは
苦しみなのか
痛みなのか
僕の持ち合わせの言葉では
言い表せない
ただ、正直者の躰には少々きつい冗談を
言うようだ
眩暈で転びかけるのは可愛い
運転中に焦点が合わなくなることも
圧迫されたような不快感ある
遊ばれているような
感覚を覚えるほどに
唐突に
それは起こる
だから僕は
胸を強くノックするのだ
すると
何食わぬ顔で鼓動は動き出す
幻、夢ではないかと思えるほどに
通常通り
時々不安になる
だからだろうか
問いかけることがある
けれども
それは
沈黙を保ったまま
口を開くことなく
とんとんとんとん
と
脈を打ち続けているのだ
僕という自我と
心臓「こころ」の中の誰かが
別々に存在している
そんな矛盾を引きずった日々
あぁ・・・
なぜだろうか
空を飛ぶ
見えない鳥が
こちらを見つめているような
居所の悪い心地が
纏わりついて離れない
だが
そのようになってから
景色が、いつも以上に輝いて
平穏で、退屈な日常が
どういうわけか
有り難いと思えるようになった・・・
まだまだ
人生
先が在ると言われる年ごろなのに
知らず知らずのうちに
僕は
物静かな縁側に座ることが
好きになっていた
by梟霊