鳴き虫 | 梟霊のブログ

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適当に詩をUPします。
評価に、興味なし
フクロウ大好き
きのこ大好き
山菜大好き
ハーブ大好き
とことん変り者なため・・・
絡み辛いこと必死
静かに、生暖かく見守ってください

 

 

ねぇ・・・

なぜ、答えてくれないの?

 

ねぇ・・・

どうして、そこにいるの?

 

ねぇ・・・

ねぇ・・・

 

昨日までの記憶が

私の首を絞めつける

周りの人が煩わしいくらい

いつもはすぐに変わる信号が

苛立たしいほどに遅い

やっとの思いで駆け付けた

そこには

一枚の布切れが

静かに別れを告げていた

それだけだった

 

ちょっとまって・・・

目まぐるしく回るあなたとの日々に

私は声を掛けた

 

ちょっとまって・・・

駆け抜けていくあなたとの日々に

慌てて声を掛けた

 

でも結局

止まってくれたのは

今、この場所だけ・・・

 

真夜中の黒天に月が掲げられるころ

虫籠の中の鈴虫が謳い出す

澄んだ綺麗な声

雲一つない銀の空に

糸を紡ぐかのよう

何を語り掛けているのだろう

最愛の人を想う詩だろうか

それとも

まっすぐに、まっすぐにぶつけているのだろうか

ごめんね

今の私には

君の声を

綺麗だねって言ってあげることは

出来ないの

だって・・・

聞いてくれる人が

居ないから・・・・

 

 

ねぇ・・・

なぜ、傍にいてくれないの?

 

ねぇ・・・

どうして、微笑むばかりで

何も言わないの?

 

ねぇ・・・

ねぇ・・・

 

昨日までの思い出が

重く縛り付けた

崩れさり動けなかった

叫んだはずの私の声は

響くことを知らず

泣き啜る家族の真ん中から

暗い穴蔵の中へ滑り落ちていくのを

ただ、ただ、見つめるだけだった

真夏の暑さも

昨日までの暑さとはまるで違う

何処か冷たくて

何処か寂しい

じわじわと押し寄せてくるはずの蝉の声すら

ずっと遠くから押し寄せている

 

小さな骨の一つ一つ

台座の一つ一つ

全てがあなた・・・

あぁ・・・

拾い上げ

その軽さに驚くまで

どんなに夢であってほしいと

願ったことだろうか・・・

でも、それを考えれば考えるほどに

いつの間にか目の前に着飾った

あなたの写真が

微笑みかけてくるの・・・

 

波間の月のように

私の見上げる月は

風もないのに

ゆらゆらと揺れている

今日もまた

鈴虫は謳い出す

寝静まった小さな部屋の隅々にまで

その澄んだ音色が染みわたり

この空間を

昔々の赤い道に変えているのだ

 

どうしてだろう

似通った銀色なのに

似通った涙の筈なのに

泣き止むことができない

ようやく止まったと思っても

ほら・・・

また・・・

もうそこに

慰めてくれる

温かな手の平はない

それを知っているから

あの音色と共に

私は泣いているのだ

心でも

現実でも・・・

 

 

ねぇ・・・

なぜ、そこに居るの?

 

ねぇ・・・

どうして、そこに佇むの?

 

ほら

私はここにいるよ?

一緒に帰ろう?

ねぇ?

ねぇ・・・?

・・・・?

 

 

 

by梟霊