巻き戻る
時計の針は
小さな希望を灯しつつ
夢であることを押し付けて
私の心の中を
少しづつ壊してゆく
草の揺れる音
風がそよぐ音
それらすべてを薙ぎ倒した
あなたの足音を遠ざけながら
こころの安寧は
死の先にあるのでしょうか
公園で独り
小さな菫の花を眺めた
自分の弱さ
自分の不甲斐なさ
不透明な場所から
確かな椅子だけを感じて
世の中を恨んでいた
流す涙もなく
溢す嗚咽すらなく
空っぽの青空と
遠くの小鳥たちの囀りを聞きながら
私は
わたしとして
崩れて行くのを感じていた
枯葉が舞い上がろうが
花吹雪が舞い散ろうが
雪が舞い踊ろうが
こころは常に闇の中
小さな小さな天井の穴から
降り注ぐ不思議な光の中で
私という者は
少しずつ体を崩し
やがては寝そべってしまう
慕う人も
愛おしむ人も
慈しむ人も
時の流れに飲み込まれ
ずっと、ずっと、ずぅっと遠くに
去ってしまった
あぁ、帰りたい・・・
昔、幼き、あの頃に
あぁ、返りたい・・・
昔、幼き、あの時に
けれども
戻らない時は虚しく
老いという皺を
私の身体に刻みながら
だからこそだろう
寝そべったそこに
覗き込む古時計を眺めると
チクタクとチクタクと
時を遡ってくれているように
思い
そして
そうであってほしいと願ってしまうのは・・・
byキケロ