無音の華 | 梟霊のブログ

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適当に詩をUPします。
評価に、興味なし
フクロウ大好き
きのこ大好き
山菜大好き
ハーブ大好き
とことん変り者なため・・・
絡み辛いこと必死
静かに、生暖かく見守ってください

無音の華





雪深い山の中
獲物を探し、彷徨う
ふと見降ろした谷の
中ほどの土肌が見える場所が
金色に染まっていた
咲き誇るには
まだ早いはずの福寿草
我先にと天を見上げ
この殺風景な空間に
春という
温かな心地よさを
運び入れていた・・・

灰色の都市
ギラギラと輝かく
硝子の迷宮
擦違う人の流れ
荒む心の奥底に
未だ残る
青春の夢
涙のような一粒に青空を映し
微かに思い描く桜の花びらが
果てることなく舞い踊る
年月が過行くほどに
暗くなっていく世界
その音もない
暗闇の中で
輝き
咲き続ける其の花は
恋の想いと詩に包まれて
今もなお
あの一本の華の背中を
まざまざと見せつけている
あぁ、なんと女々しいことか・・・
引き摺って
引き摺って
引き摺り続けて
僕が、私となった今
零れ落ちる涙さえ
愛おしくも憎らしくさえなく
ただ、ただ
気持ち悪い
生暖かい塩水と化していた

それでも
好きだったことを
握りつぶすことも出来ず
思い出という引き出しの中に
仕舞い続けてしまうのは
きっと
あの頃の君を
見返してやりたいから
だと
想っている・・・





by銀翼のキケロ