灯り
足元を照らす灯り
とてもありがたいのだけれども
届かない光
それを手に入れるために
あれこれ考えて
ようやく胸元に引き寄せた時
周りが暗いことに気が付いた
あぁ、そうか・・・
この光は
高いところにあるから
僕の周りも
僕の生きる道も
美しく照らしてくれるのか・・・
それから
その灯りを
元の場所に
取り付けたはずが
その場所に戻ることはなく
落ちていき
やがて
カシャリと音を立てて
砕け散った
灯りが無くなった世界は
ずっとずっと広くて
ずっとずっと孤独で
あれより弱い輝きが
点として
天上を埋め尽くしていた
それはあまりにも美しい光景で
それが
絶望というには
あまりにも美しい世界で
動けなくなった僕を
支えていた
知らない世界が
あの向こう側にある
知らなければ
僕は、歩き続けていた
誰かが付けてくれた
灯りを辿って
けれども、今は
擦り傷だらけで暗闇を進んだことを
楽しんでいる
其処に誰かが居るわけではない
その場所に何かがあるわけでもない
外れた世界には
存在しないという
不思議な魅力が在り
生きているからこそ
感じることのできる
嬉しさがある
でも時々・・・
このままじゃいけない気がした
ただ・・・
もう、ここがどこで
どこまで来てしまったのか
解らず
判らず
もう、夢という灯りを思い描くことしか
出来なくなっていた・・・
by銀翼のキケロ