疼き | 梟霊のブログ

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とことん変り者なため・・・
絡み辛いこと必死
静かに、生暖かく見守ってください

疼き





延々と続く荒野
此処が我が故郷である、と
言い切れるのは
今、ここに立つ私と
並ぶ幾人かだけだろう
樹々の焼ける匂い
人の焼ける臭い
何かが焼けるにおい
入り乱れて高く立ち上る煙を
これほど憎らしいと思ったことはない
その向こう側に
何食わぬ顔で流れる入道雲に
虚しさを覚え
それを際立たせる
晴天の下
数少ない人の
ただ一文字
悲しみという言葉の叫びが
重ね、重なり
周囲を飲み込み
満たしていく様は
鉄の雨の中を生き延びた私の
栄誉と称えられた傷跡を
再び生傷へ戻すには
十分なほどのものでありました

あぁ、夢も希望もない
刻まれた光景は、悪夢として蘇り
朝まで
身体中を這い回る
優しく包んでくれる、焚火の焔と
容赦なく群がる蟲どもの中
追い払う気力もなく
唯一点ばかりを見つめて時を過ごしました
歪なまでに揺れ動く炎
歪みだす世界の中ほどに浮かべた
あの家は
風の音も、陽の光も
遮ってくれることはないことに
幾日も、幾日も
啜り泣き
最後には、諦めて
立ち去ることしか
出来なかったのです。

その時のことは
今でもよく思い出します
朝であろうが
夜であろうが
何も見えない
暗闇
腹が空いても
恵むほどの隙間は
当時の人の中には
私も含めて
ありませんでした・・・
生きる
それだけで
精一杯
心も、体も
真っ黒で、真っ黒になりながら
生きるという希望に皆
必死に、我武者羅に、蹴落としてでも
縋り付いたのです









by銀翼のキケロ