砂の城 | 梟霊のブログ

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とことん変り者なため・・・
絡み辛いこと必死
静かに、生暖かく見守ってください

砂の城




あわよくば
幸せになろうと
空を見上げた
笑って
見上げた
暖かな光を全身に浴びて
君へ
手を伸ばす
それが
夢幻よりも
遥かに早く
崩れ落ちたのは
朝日が差し込む少し前・・・
一つの大波は
僕の心に積み上げた
砂の城を
雷よりも大きな・・・
大きな、本当に大きな声を上げて
薙ぎ倒してしまったのだ

残されたのは・・・

僅かに濡れた砂に映し出された
小高い盛、影・・・

どんな形だったのか
どんな想いだったのか
全て
全て
水面に笑う小波の中へ吞み込まれ
叫びは、元よりなく
ただ、ひたすらに
悲しみに崩れ、堕ちる
だけ・・・


蠢く影に
私も混じる
漂う幻に
私も、話しかける
つい昨日まで
そこに居た君が
つい昨日まで
笑っていた君が
暗がりの中に飲み込まれ
叫んでも
呼びかけても
応えない
月明かりに浮かぶ
黒いさざ波に
銀色の粉を鏤めた夜
俯く他人の背を叩き
行こうと言ったのは
おそらく
今の私の背を
押したかったから、だろうか・・・

静光の下
さざ波のを音を聞きながら
気力なく砂地に描く
城の絵
その瞳に私は映ってはいないようだが
消えても
消えても
描き続ける意味を
察した
きっと・・・
今も見続けているのだろうと
愛した人と
愛した人と過ごした
あの頃、あの時、あの場所の
あの約束の夢の輝きを
なくしたものを
なくしたものと
区別することのできない
このものは
こうすることで
自我を保ち続けているのだ

あぁ、私は、薄情なのか・・・

あぁ、私は、冷徹なのか・・・

所々で立ち上る
焚火の焔を見渡して
空の星と比べている
背には影に溺れた瓦礫の山が
所狭しとひしめき
じゃれついてくる小波には
白く染まる足の先で突いては
ゆるりと止まり
溜息を吹きかけた
そして・・・
隣で、動かない
いや動けない
いやいや、動こうとしない他人と共に
新たな日の朝を
待ち続けている・・・






by銀翼のキケロ