天地の隙間
天は、地に足を付けず
大地は、天に手を伸ばさない
互に、見つめ合い
微笑むばかり
愛すべき絆は
そこに確かにある
だが、なぜ・・・
偉大なるものよ
触れることを拒むのか
ほんの
そう、人で言うほんの数センチ
数ミリであるかもしれない
隙間を保ち続ける苦しみは
想像を絶するものであろうに
なぁ、天よ
大地の色を映す鏡をもって
頬を赤らめ
瞳を閉じて
美しい宝石のごとき夢を
我らへ見せてくれる
天よ
お前を、そこまで駆り立て
不動なる覚悟に至らせる
想いは
どこで生まれ
何に、支えられているのか・・・
なぁ、大地よ
天を映し続ける水面(みなも)をもって
時同じく頬を染め上げ
瞳を閉じた天を、優しく見守り続け
その腕の中で、命と呼ばれる全てを
抱き、あやす
大地よ
お前を、そこまで奮い立たせ
不屈なる決意を示すに至る
想いは
いつから生まれ
いかにして、今この時も続くのか・・・
天地の瞬きの間に尽きる
小さなものである
この私に
どうか、教えてほしい
もしその隙間を埋めるものが
愛ならば
もし、その隙間を埋めるものが
優しさならば
もしも、その隙間を埋めるものが
慈しみであるならば
人々が願う平和と
人々が望む平和との
近すぎず
また
遠すぎない
隙間もまた
それらで埋まるのであろう、か・・・
それとも
別の、何か特別の、何かであろうか
天は答えない
大地は、答えない
まるでそこに
個など存在しないかのように
互いを見つめ続ける
愛おしそうに
愛おしそうに
見つめ続けている
汚れ続けるこの星に在り
始まりと共に在り続けた
天と地
おそらく、命全てがなくなろうとも
その微笑みが曇ることはないだろう
なぜなら
我らは、すべて
水の中を泳ぐ、魚と同じ
命とは、すべて
息をする獣らと同じ
無造作に横たわる石を気にも留めず
走り去る人々と、同じで
我らが始まる前から
満たされていた中に生まれれば
満たされたものなど何一つ考える必要もなく
当たり前のように受け取り
そして
知らぬ間に投げ捨てて
それを終わらせている・・・
天地はそれを
全て許し
全て理解し
全てを委ね
抱きしめ
見守っているだけなのだ
一人一人としてではなく
一つ一つとしてではなく
ただ、一つとして
見ているに
過ぎなかったのだ
ただ、そこに一つの疑問を
あえて投げかけよう
その隙間を満たすものを理解するには
それが無い別の場所へ
行くしかないのであろうか
奪われてみるしかないのであろうか
失うしかないのであろうか
壊されるしかないのであろうか
と・・・
by銀翼のキケロ