名もなき花
花壇に花が咲いている
名の知れた花々
その中に
ぽつんと紛れ込む
小さく、小さく
本当に小さな花が
白い小さな花が
咲いていた
背伸びをするわけでも
影に潜むわけでもなく
のびのびと茂る葉のわきで
そっと囁くように揺れる
私は
その名もなき花を
ほんの一時だけ愛でて
刹那の内に
刈り取った
残された
土の僅かな傷跡は
悲しそうに宙を眺めていた
寂しそうに宙へ
祈っていたんだ・・・
by銀翼のキケロ