憎しみの中で、笑った・・・
いつからだろう
人を、信じなくなったのは
いつからだろう
人として生まれたことを
後悔したのは
いつからだろう
人の言う
愛だの、優しさだの
温かなものを
拒絶するようになったのは
いつからだろう
自分自身すらみることが
できなくなったのは
いつからだろう
自分自身が
わからなくなったのは
そして、いつからだっただろうか
死にたいと、願うようになったのは・・・
歩みを進める度に
誰かの骸を跨いでいた
戦場でもないのに
本物の死体があるわけでもないのに
横たわる誰かの無念が
私の足に絡みつく
ここは、暗く
先がない
上を見上げれば
星々だけがきらめきを纏い
楽しそうに踊る
その中を
怒りの焔に、何でもかんでも投げ込んで
凍えぬように暖を取り
何がそうさせるかもわからずに
生に、しがみ付いていた
憎くて
憎くて仕方がない
その唇を紡いだ一瞬
ふと、思い出すあのころ
無邪気に駆け
無意識に手を伸ばす
最愛と呼ばれた最初の人
私は、憎む
私は、憎む
その憎しみの中で、笑った・・・
捨てたはずのものを
脳裏に広げ
笑っていた・・・
いつからだろう
隙間風が、止まらなくなったのは
いつからだろう
一人だけでいるようになったのは
いつからだろう
好きになることが途絶えたのは
いつからだろう
意味も解らずに
生にしがみ付いていたのは
いつからだろう
失ったと気が付かなくなったのは
そして、いつからだろうか・・・
真っ暗な世界で
唯独り、火の前に座る
私を見るようになったのは
何もかもに疲れ
何もかもを諦めて
揺れる怒りと憎しみに
包まれてしまえばよいものを
微かに零れる涙のせいで
微かに溢れる
やりきれない笑みのせいで
動けずに
その焔でちまちまと遊ぶ日々
誰かに助けを求めることもなく
誰かを手助けするわけでもなく
私は、私だけを抱きしめ
カチカチと歯音を立てて
震えていた
きっと、この焔が消えた時
私の骸は
土の中
彷徨う魂もなく
何もかも手放し
思い残すこともなく
横たわり
純白の骨を世界へ晒していることだろう
それを誰かが
なにを未練たらしく居座ってんだ
痕跡を残さず
消えればいいものを、と
唾を吐いて
崩し去るのだ
あぁ、なんとあっけなく
なんと、つまらない一生であろうか・・・
ただ、いつからだろう
それでも、いいかと
思えるようになった私がいた・・・
by銀翼のキケロ