物静かな丘
いつも独り
ただじっとして立ち
見上げる空と
見渡す景色に
溜息をもらす
物静かな丘
誰もいないのに
誰かが居るようなざわめきが在った
所々の不思議に傾く石たちは
何処かに向かう人波の様に見えることもある
夕時も
早朝も
昼時も
月下の真夜中も
語りだすことのない物語が流れ
私がそこに立てば
自ずと開き
自ずと捲れ
やがては、知らぬ世界への扉を
これでもかというように
置いていく
あぁ、静寂の丘
あぁ、幻想の丘
物静かな丘から延びる
形のない影は
星々の輝きを携えて
今の私の様に
あの頃の私の様に
好奇心だけでどこまでも
どこまでも、駆けていた
願わくば
この命尽きるまで
夢という名の
灯を、見ていたいものである
by銀翼のキケロ