壁
あなたに触れているのに
伝わらない・・・
あなたに、触れているのに
届かない・・・
ずっと遠くを見つめて
時間を止めてしまった
交わる言葉は
あの雲の様に色ばかり
私の問いかけに
答えてくれるものは
風の様に
確かにあって
何もなかった・・・
大きな背中
大きな手
愛おしい
大好きな人
ただ、どんなに甘えても
どんなに着飾っても
その瞳を、こちらへ向けることは
無い
仮面ばかりが
ひっきりなしに入れ替わり
その中のあなたという顔は
表に出てこない
だからだろうか
あるとき
寂しくて、甘えたくて
服の端っこを握って
引き留めた
その瞬間
分厚い壁に
何もかもを、遮られたような
気がして
抱きしめることが
出来なかった
咲かない花は
嫌いですか?
咲かない華は
嫌ですか?
あなたはずっと
遠くばかりで
わたしを見てくれない
どんなに風に揺られ
どんなに雨を着込んで
麗しく艶やかに仕込んでも
その石の瞳は
決して、私を見てはくれない
あぁ、温めるだけの
この、手の平
いつも、つめたいまま
私の胸の中に帰ってくる
寄りかかり澄ました先で
ぶるりと
確かに震えた鼓動は
何に怯えているの?
諦めてしまえば、楽なのに
そうして、大好きな人に
背を向けてしまうことが
怖いのかしら・・・
by銀翼のキケロ