壊れた人形 | 梟霊のブログ

梟霊のブログ

適当に詩をUPします。
評価に、興味なし
フクロウ大好き
きのこ大好き
山菜大好き
ハーブ大好き
とことん変り者なため・・・
絡み辛いこと必死
静かに、生暖かく見守ってください

壊れた人形


右には右の顔を
左には、左の顔を

空を見上げた
そこに父ちゃんの姿はなく
母ちゃんだけが、笑っていた
じいちゃんも
ばあちゃんも
居たけど
あまり覚えていない

兄がいた
ある日、その兄と共に知らん顔が
立っていた
父ちゃんだという
僕は、目を輝かせて
父ちゃんに抱き付いた
それまでは、死んだと聞かされていたから
いっぱいいっぱいお話しした
父ちゃんは、山が好きだ
父ちゃんは、川が好きだ
父ちゃんは、海が好きだ
父ちゃんは、十字架を信じて
父ちゃんは、器用だけど、機械が苦手だ
父ちゃんの手は、ごつごつしてて
父ちゃんの顔は、外国人の様に髭モジャで
父ちゃんのげんこつは痛かった
そして、父ちゃんは、母ちゃんが嫌いだった

一緒になると
静かになった

どちらか片方と一緒に居ると
どちらか片方の悪口を延々と聞かされた

どちらも自分が悪くない
そう、言い続けた・・・


少し大きくなっても
もう少し、大きくなっても
それが変わることが無く
密かに思い描いた
家族というものを
社会人になる前に
叩き割った
好きになったから生まれたはずの僕が
なぜ、生んだのかと
生んでしまったのかと
こんな場所へ
こんな世界へ
燃え上がった愛の結晶は
愛の傷跡でしかなく
永遠に触れることのない
戒めのようなものでしかないのか

互いが、私に語り掛ける
愛している、の
一言は
噛み合わせることが困難な硝子の欠片
鋭さだけが
突き刺さり
一つの、一個の
壊れた人形を作りだした
それは、愛を信じない
歪で孤独な人形だ
美しい温かい
優しい、柔らかい
人形の中に残された
光景や、愛という形の中に
一片たりと
そんなものはなかった
だからだろう
早く孫を見せろという
両者の間で
私は苦笑いを浮かべ
私は、心の中で嘲笑した

何かが切れた音がしてからは
無気力な空ばかりが
空っぽの空間を埋め尽くし
諦めを含んだ雨が
止むことなく振り続けた
なぁ、もう終わりにしよう
この血は、この地に残す必要なんてない
もう、十分に世代はつながっただろう
あんたらの我儘に付き合うのも
飽きた
形だけなら
ほら、人形をやろう
それを孫だと思って
死ぬまで、可愛がれ

ダレガ、オマエラノマエニ
ナンテミセルカヨ

もしも、奇跡なんておこって
私に子供なんて出来ても
お前らの生きている内なんてことは
無いから
安心して
逝ってこい


私は、私が嫌いだ
私は、私を生んだ親が嫌いだ
私は、私を創った神を憎み
私は、私を追い込んだ悪を恨む
愛は、灰となった
怒りは、焔となった
それに包まれたまま
天を見上げる私は
死んでいるのか
生きているのか
わからない
曖昧な空間を
朽ちるその時まで
漂うことだろう
本当の素晴らしい愛というものを
得ず
理解せず
見ることすら
出来ず
ずっと、ずっと
届かないものを
見上げつづけるのだ・・・





by銀翼のキケロ