夢の中の僕と、夢を見る僕
子供の頃
唯のシャボン玉でさえ、輝いた
夢の中で
世界を巡る旅をした
それが、理屈が判った途端に
宙で砕けた其れの様に
急に、つまらなくなった
手に取って
夢中になることも
飛ばしてみようとも思わなくなった
虹色の不思議な玉
ただの、泡・・・
子供の頃
一日中遊びまわっても足りなくて
夢の中でも駆けていたことを
覚えている
それが、大きくなるにつれて
億劫になり、立ち止まることが多くなれば
なるほどに
夢を照らしていた、眩しくない太陽も
寒くない雪原もなくなり
現実に在った印象を読み返すだけの
部屋の中
闇に浮かび上がる僕の横顔を
僕は、何度見たことだろう・・・
いつからだろう
夢を見る事がなくなって
真っ暗な世界が
急に明るくなれば
次の日だった
蹴り散らかした掛布団を見つめ
きっと見ていたであろう夢を
知りたいと思ったこともある
でも・・・今の僕は
覚えていない、夢の中の僕と
会いたくないし、見たくもない
希望も、可能性もない世界を歩く
夢を見る僕が
無限の可能性の中を歩く僕を
正直
素直に見つめる事ができるとは思えないんだ
きっとそこに
現実を照らし合わせてしまって
無邪気な自分を、壊してしまう
そうなる気がして
いや、そうなることしか浮かばないから
僕は、僕を見ずに
その先に広がった
夢でも、現実でも変わらない
夜空を
見つめることにした
不貞腐れたのだろうか
構ってほしいのだろうか
夢の中の僕は
夢を見る僕の裾を
ひっきりなしに引っ掻く
だけど、これが大人
無視も、逃げも
卑怯とは思わず、当然の手段として
使うことができてしまう
もしも、これがいつかできるであろう
自分自身の子供への仕打ちであるならば
僕は・・・
僕は・・・
親として、失格なんだろう
あぁ、どこまで逃げて、どこで止まり
どこで振り返り、どこで立ち向かえばいいのか
判らないまま
この瞬きの先で
未来をまた
迎えてしまう
なんだか、ごめんな?
そう、言葉をかけた様な気がした
by銀翼のキケロ