雨後、藤の花粒
ほんの少し強い雨だった
まだどこかで、子供たちがあくびをしているころ
大人たちが、寝ぼけた顔を鏡で見ているころ
僕は一人
山奥で、刈り払い機のエンジン音を轟かしていた
見上げれば青空
見上げれば藤の花
昇ったばかりのお日様が
水玉を宝石に変え
藤の花の香りをより澄み渡らせる
雨後
一風吹くと
樹々の上から
雨粒の名残が落ちてくる
二風吹くと
藤の花粒がぱらぱらと
舞い落ちてくる
刈り払った後を振り向けば
どちらが空なのか
判らなくなるほど
真っ青に、真っ青に
広がって
全ての動きを阻む
大きな大きな泉が
そこに現れていた
by幻想師キケロw