桜色
塞ぎ込む日々
ギシギシと軋む身体
老いてよろけるこの足は
気ばかり強くて
無理ばかりする
とくに・・・
春という季節だけは
どうしようもない
どこへなりとも引き摺って
立ち止まるころには
陽だまりの中
とっても暖かくて
何か、とても良い香りがする
よぼよぼの眼を見開くころは
一面、桜色
綺麗でしょ
綺麗でしょって
私に言ってくるの
そのたびに
貴方の手が肩に乗って
あの頃に戻ったみたい
あの頃に、戻ったみたいに・・・
囁きかける
今みたいに、便利な世の中じゃないから
さようなら、なんて一言も
面と向かって言わなきゃいけないの
笑っているけど
泣いた跡がしっかりと刻まれて・・・
止めても止まらない運命に
飛び込んでいく背中
あぁ、戻ってこれるかしら
戻ってきてくれるはず
その希望だけが立ち止まったまま
なんども巡る季節となってしまった
出会いと別れの境目で
咲き続ける桜は
この心に在り続けることでしょう
憎たらしいくらい綺麗に
悲しいくらいに美しく
私という存在を見下して
あの人を遠ざける
恋の話は、いつでも冷風を生み出して
恋の物語は、未だに終わらない
仮初の幸せばかりを飾っても
あの人の顔だけは
隠す事ができなかった
溜息に乗せては
零れる涙を
家族と呼ばれるものの隅に落とす
忘れようのない
青春の頬の色
ときめくままに
高鳴るままに
名前を呼んだあの頃は
私にとって最高の乗り物よ?
貴方が乗った零戦のように・・・
by幻想師キケロw