溜息という愛
一章
私の恋はどこにある
私の恋はどこにいる
憧れに焦がれ
恋に焦がれる
この身、この心
まどろみに映る世界に
希望にも似たその光は
いつでも私の頭上に在った
あぁ、神よ
私の運命の糸は
誰の体に巻き付いているのでしょう
踊る踊る鼓動
踊る踊る夢
まるで宙を散歩しているかのように
私を熱くさせてしまうの
日長一日
持て余す時間に流し込む紅茶
暇な一日
持て余す時間に頬張るお菓子
どれもこれも私のお腹を満たすのだけど
やっぱりなにかが足りないの
不意に見下ろした
庶民の道に
泥にまみれた青年と不安気に手を繋ぐ小さな少女
なにかが私の中に生まれ
暇の潰しと外に急ぐ
汚れることのない靴に履き替えて
遊び半分に
杖を突きつける
じゃれ合うつもりで
叩き付ける
私の心は、彼の顔に夢中になっていく
日を追うごとに
時を駆けるほどに
のめり込んでいく
あぁ、なんて楽しい合い間なのでしょう
高揚する高鳴りを抑え
私は、遊び終えるころ
幾度となく
愛を叫ぶ
さぁ、こちらに来なさい
さぁ、背中のものなど投げ捨てて
私の物になりなさいと
けれども
幾ら、教えても
幾度となく刻みつけても
彼の顔がこちらを向くことはなかった
もどかしくて
もどかしくて
大切なものも
叩き付けるほどに
もどかしい夜を過ごす
そして、寝る間際に彼を想い
彼の為に流す溜息は
きっと私の愛の欠片なのでしょう
今日もまた彼を見つけ
彼を誘う
昨日も
そして、明日も
私の愛を注ぐの
振り向いてくれるまで
だって、ようやく気づいてしまったのですから
これこそが恋
これこそが恋愛という美しい感情であると
二章
「あなた様は、毎日のように私を地面に叩き付ける。」
「あなた様は、毎日のようにこの子を捨てろと仰る。」
「あなた様は、毎日のよう私を愛したと告げてくる。」
「どうか、そのお遊びも今日と言う日で終わらせていただきたいのです。」
「あなた様は、生きることに暇を持て余し、そのように綺麗に着飾って御出でなのでしょうが。」
「私たちには、そのような暇はないのです。見ていただければ一目瞭然でしょう。」
「この泥も、この傷も。あなた様に受けたモノよりもずっと多い。それは、今この時も、妹と生き抜くことで精いっぱいだからなのです。ですからどうか、私共に御構いになるのを今日と言う日で終わらせていただきたいのです。もしそれが叶わぬのなら・・・私たちは、この街から出ていきますので・・・。どうか、どうか・・・。」
何が起きたのでしょう
その澄んだ青い瞳が好きでしたのに
その凛と佇む姿が好きでしたのに
いつの間にかぼろぼろで
いつの間にか影も形も無くなっていました
何を謝ったのでしょう
私は、そんなつもりでじゃれ合ったのではありません
私は、ただ、こちらに来てほしかっただけなのに
気が付けば遠く遠く
気が付けば怯えて、見たくもない表情を浮かべている
少しでもこちらが動けば
こわばって、びくついてしまう
あれあれ?
聞き間違いでしょうか
この方が、ここを去ると言っているように思えたのは・・・
この時初めて
なにかとてつもないことをしてしまったような
なにか恐ろしいことを彼らに与えてしまったような
気になったのでした
翌日
決まった時に通り過ぎる彼は居ませんでした
翌々日
決まった時間に通り過ぎる彼の姿はありませんでした
翌々日も
一週間後も
一か月後も
背筋に覚えたひんやりとした嫌な感覚は
じんわりと全身に回り
徐々に徐々に
この想いを覚ましていきます
あぁ、嫌だなぁ
あぁ、嫌だなぁ・・・
この気持ちが閉じてしまう
嫌だなぁ・・・
一年後
元通りのような気がします
暇を持て余し
くるくると髪の毛で遊ぶ日々
焦がれた恋も終わり
憧れた愛も閉ざされ
私は、彼の影だけを
ひたすらあの道に求めました
なんども
なんども
こぼれる溜息
消えきれない
煮え切らない
その愛が
湧き上がっては流れ
湧き上がっては
私の口から
逃げていくのです・・・・
by幻想師キケロw
二章構成の詩を創ってみました。音楽も二つイメージに重なるように選んでみました。どうでしょうか・・・。