霧の人
心の森に
太陽はない
心の森に
月はない
心の森に
命も、闇もない
ただ、朝霧のように
白い何かが奥深くまで広がって
人のような影が
うっすらと蠢いているに過ぎない
他者を拒み
自分を拒み
本当の姿など
誰も見たことが無い
ただ、そこに夢が生まれ
人々を魅了した
それを楽園と呼んだ人は誰だろう
それを桃源郷と呼んだ人は誰だろう
追い求べき幻想となったのは
いつのことだろう
その森に
名前はない
その森に
偽りはない
その森に
真実はなく
ただひっそりと
佇み
霧の人を使って
手招きするんだ・・・
碧く、美しく輝きながら
by幻想師キケロw