帰らない黒猫 | 梟霊のブログ

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帰らない黒猫
(′・ω・)第十話、暇な猫(そのに)



 午後の始まりが一時とするなら、今はそれを半分に割っている。あぁ、すまない。いきなり何のことかと思うだろう。実は、やることもないものだから、壁に立てかけられている丸い、かつ、針のない時計を眺めているところなのだ。少し前までは、そふぁで横になっていたのだが、なに、弥勒の母の足が、ずるり、ずるりと近付いてきて、やがてはその足に追い出されたのだ。まぁ、不機嫌にもなったが、寝顔を覗きこんでしまってはどうしようもない。チビもまた、彼女の胸に抱き付いて、器用にその中に顔を埋めて眠っている。息苦しくないものだろうか。交互に眺めつつ、私は何度も溜息を零した。はぁ、やることが無い。私も、彼の部屋で寝るか。そう思い、のたりとその場を後にした。
 階段を上るのも、目的が寝るだけとなると怠くてしょうがない。前足を乗せて、よっこらしょ。次に前足を掛けたら、後ろ足でどっこいしょ。終わりが、とてつもなく遠い。ふと考えた。そもそも、わざわざ部屋に行かなくてもよいのではないか、と。そうとも、この階段のどこかでも同じじゃないか。弥勒が居ない部屋は、おそらく、こんもりと熱がこもっているはず。そうだ、ここで横になってしまおう。私は、怠さに負けて、もう何段か登ればいいところで横になった。はぁ、冷たくて心地よいなぁ。至極優越と、言うのだろうか。
「カチリ。」
目を閉じかけたとき、何かが開く音が上から聞こえた。そして、じっと見つめていると、酷い隈の妹君が、ふらりと現れた。
「あぁーん?馬鹿猫かぁ・・・。ついにところかまわず寝るようになったかぁ・・・。ッチ・・・。」
目が合うと、面倒くさそうに捻くれて掠れた声で言った。私は、いつでも逃げる体制をゆっくりと整えた。が、珍しく、私の横を通り過ぎていった。