恋の蕾
衝撃に身を潜めた
黒くもない
白くもない
ただ、すれ違っただけなのに
どういうわけか
全身が焦がされた
これを雷にたとえた人は
よほど、運命が好きだったのだろう
ただ、私には少々きつ過ぎる
このこころに
なにも抱かなければ
素直に、堕ちていったものを・・・
暗がりに見える扉
煌煌と燃え上がる
美しい憎しみが、口を開けて待っていた
罠・・・
試練・・・
それとも罰・・・
何ともむず痒い
何もしていないのに
何もかも禁じられていた
私には、恋は許されないのか
私には、愛することすらできないのか
可憐な花を目の前にして
この手で触れることすら許されぬ
この宿命を呪わずにはいられない
思い出の場所で
孤独に打ちひしがれて
雨色に染まり
ついには、諦める人生の岐路
最高の青空の下、道は一つ
選ぶ必要すらない
岐路ではないと笑うものもいよう
だが、この長い下り坂は
なんとも嫌な光景だ
見下ろした世界は
安堵した姿を、見せつける
全く・・・
お前は、どれだけ嫉妬深いのか
私の骨を喰らうまで
許さない
そう、言っているのだろう
大きな溜息と
小さな恋の蕾が
あの雲のようにゆっくりと揺れ動き
うっすらと消えかけたころ
おぼろげな笑顔として
知らぬ間に咲いて
悪戯に、散って逝った・・・
by幻想師キケロw