白川の夢(ハクセンノユメ)
眠れない・・・
いつもなら夢の中
眠れない・・・
いつもなら闇の中
目蓋の向こうに
見慣れない世界があるはず
なのに
どうして
眠れない・・・
見慣れた天井をじっと眺め
青白い光が
そろりそろりと
前髪を掻き分ける
閉じているはずなのに
世界は真っ白な霧に覆われたかのように
深く
明るい
雪の中と違って
微かにぬくもりがあり
私の腕に縋りつく
あぁ、ここはどこなのだろうか
不安に駆られるわけでもない
なのに
歩いても歩いても
見えてこない
真っ白だらけの
この世界
再び、瞳を開ければ
暗がりに浮かぶ蛍光灯
時計を見れば、五分と進んでいない
どうしてなのか
鼓動すら寝静まる真夜中に
気ばかりが何処かへ行ってしまったかのような
そんな気分だ・・・
瞳を閉じれば
闇の中
瞳を閉じれば
夢の中
けれども
けれども・・・
私が、見つめるその世界は
雪よりも白く
春よりも優しく
土よりも
どこか・・・、儚くて
風よりも
もっとこう・・・
柔らかい
誰かの腕の中に居るような
安らぎに包まれて
私は、なんどこの世界を彷徨えばいいのだろうか・・・
by幻想師キケロw