瞳を閉じて
闇世に響く
孤独な詩は
ゆらゆらと小さな松明を携えて
草木の陰を引き裂き
奥へ、奥へ
闇世に伝う
孤独な足音は
ぱきぱきと小枝をへし折り
朱色の地面を蹴り上げて
奥へ、奥へ
闇世を憂う
孤独な人は
ふらふらと心を揺らし
ぼろぼろの小さな紙に
詩を描く
奥へ、奥へと
進みながら・・・
暗闇に慣れた瞳は
月明かりですら眩しくて
そっぽを向いてしまう
いつからか
どこからか
自分の掲げたそれだけが便りで
消えてしまわないように
失くしてしまわない様に
大切に
大切に
してきた
ただ、このところ
わからなくなる
瞳を閉じて
その明かりすらない闇の
奥の奥を覗き込み
あの頃の理由を探すのだけれども
やっぱり見つからなくて
深く、深く、溜め息を付く
おはじきのような思い出を
がちゃがちゃと音を立てては
諦めて
また探し
いつの間にか
歩くことすらも
忘れていた
気が付いた頃には・・・
僕は
影も形も無い
なにかになっていた・・・
そして
暗い、暗い泉の底へ
きらきらと光を反射させながら
沈んでいった
誰かの
澄んだ歌を聴きながら
by幻想師キケロw