子独
座る
寝静まる夜の月の下
誰かが空けたのか
自らが空けたのか
判らない胸の穴を
震えた手で確かめていた
独り
冷たく見下ろす月の光に酔い痴れ
ぽっかりと空いた穴に
風が突き抜けるたび
ひょうひょうと笛の音を響かせる
其れが、余計に虚しさを煽り
僕の眠りを妨げる
子供
銀色の柱に手を当てて
映りこむ穴の意味を考えた
悲しさが照らし出す
淋しさが遠くに群れている
哀らしさが深く影を刻み
燃え盛る怒りが
パチパチと音を立てて誰かを温めている
目を細めて
じっと眺めてみれば
紛れも無い
僕自身であると
理解した
子独
銀色の水辺につま先を浸し
膝を抱きかかえて座り
溜め息を漏らした
澄んだ空気に
白く濁る吐息が漂い
ぼんやりと見つめている瞳は
月の影を焼き付けて
ゆっくりと
ゆっくりと
思考を止めていった
独り
銀色の世界に伸びた
真っ黒い影に
小さな月が在った
胸の中に満月を創り
欠けることはない
けれども
どこかその月は
見えないはずの心と言うものに見えて
とても
とても
美しく思えてしまうのだ・・・
by幻想師キケロw