帰らない黒猫 | 梟霊のブログ

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帰らない黒猫
(′・ω・)第七話、のびのびとした猫(そのろく)
 
 
 
 
 ある日のこと、私は、弥勒の部屋で休んでいた。なんでも、夏休みと言うらしく朝夕以外では差ほど面白くも無いもので、本を何気なく眺めるか、こうして横になって日長一日ゴロゴロとしているかだった。外には出ないのかって?出れるものならばそうしているだろうな。学校とは異なり、私の首に結ばれた紐は玄関の、それも門より外には出してはくれないのだ。弥勒が傍に居るとき以外ではな。いや、これでも随分とマシなったものだ。出合ったころは、いつでも、どこまでも付いていかなければ、きゅうきゅうと締め付けてくる首紐にジタバタと足掻き苦しんだものだったが。それがどうだ、今は、家と言う空間限定で歩き回れるし、弥勒が急な用事で居なくなったときここにいれば引っ張られることは無い。実に、平和だ。ただ、一つ。
「もう我慢できない!!ちょっと、そこの不細猫!!」
飽きも懲りもせず、挑んでくる妹君だけは、喉に引っ掛かる魚の小骨のような感じでなんともいえない感情に苛まれる。
 「何回言えば解るのよ!そのベットは私のお気に入りの場所なのよ!?いつもいっつも占領しちゃって何様なのよ!アンタの毛のせいで思いっきり抱きつけないじゃない!。」
くだらない。邪魔ならば、抱いて寄せればいいだろうに。毛だって抜け落ちてすらいない。私は、毎度毎度変わらぬ言い分に飽きて、大あくびを見せ付けてやり、綺麗に揃えた両の前足に、トンと下顎を乗せ、聞かぬ振りをするのだ。そうするとどうなるか。あぁだ、こうだ騒ぎたて、結局のところ顔を真っ赤にするだけして去っていく。よほどあの時の爪が堪えたと見える。まぁ、あの時は不可抗力だったが、何度か弥勒と組むうちに、いつだったかな、思いっきり彼女のお気に入りの服だかなんだかに爪を立ててしまってな泣いて部屋に閉じこもったことがあった。それ以来、半径2メートル以内に近づくことはない。弥勒にしてみれば嬉しいようで、俺の居ない間ここにいて守ってろ、と万遍の笑みで言っていた。うぅむ、妹にそれほど苦しんでいたのかと、考えざるを得ない。
 しかしまぁ、退屈な毎日になったものだ。冷房の聞いた空間で、フンと小さく溜め息をした。