私は、この影と踊っている | 梟霊のブログ

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とことん変り者なため・・・
絡み辛いこと必死
静かに、生暖かく見守ってください

私は、この影と踊っている
 
 
 
大好きな公園で揺れる
別にブランコに乗っているわけでも
シーソーに乗っているわけでもない
ほんの一角にある少し広い椅子に
全てを委ね
気力なさげに空を見つめているだけさ・・・
朝から晩まで
ほんと何やってんだろ・・・
そう思ったとき
真っ黒い分身が
後ろでささやかな歌と共に
揺れ出したのさ
小さく、小さく
ゆっくり、時々早く
あの雲が
差し込む光の角度を変えるたびに
切れのあるステップを踏み始め
やがては
青空の下くるくると周り始める
昨日の焼け酒でも残っているのか
眠りすぎてまだ夢でも見ているのか
とりあえず
なんどかこの視界を閉じたり
そこの水飲み場で顔を洗ってみたり
しても見たが
腰を下ろすたびに
影は独りでに歌い始め
踊り出す・・・
気味が悪い
心底、気味が悪い
いやいや、立ち上がり
帰りたくもないあの家へ進むしかなくなってしまった
訳が判らない
楽しそうに回る影
嬉しそうに飛び跳ねる影
あぁ、私は、この影と踊っているのだろうか・・・
そう錯覚してしまうほどに
影は動き回る
それが
時を知るごとに長く
優雅になっていくではないか
まるでそう
子供から大人になっていくように
信じられず
私は、誰もいない川の小道に立ち止まり
その行く末を見つめていた
 
銀の月が天高く聳え立つ
私は、不思議な影と踊っている
捲りあがり
同等の背丈まで来たその影は
今までに無いくらい
美しく見える
触れているこの手から
心地よいぬくもりと
手触りが伝わってくる
あれ、なんだかこれは・・・
なんとなくこれは・・・
歌も踊りも、より情熱的になり
そして、より静寂になる
すべてが止まり
見詰め合ってでも居るのだろうか・・・
お互い動こうともせず
ただ、握り合う感触だけを味わっていた
確かめ合うように
やがては、二枚の花びらが
そっと触れ合ったその時
目が、覚めた・・・
目の前に、優しく微笑む妻が居た
寝ぼけた頭で
部屋の中を見渡した
大丈夫?おかえりなさいと言われて
何も言わず頷くばかりの私を
へんなのと小刻みに笑い出す
その顔が
全ての影を取り払い
ドレス姿の彼女を露わにした
あぁ、私は、この影と踊っていたのか・・・
胸の奥に
そのまた奥の一点に
気が付いた喜びと嬉しさが灯り
良かったと胸をなでおろしてもいた・・・
 
 
 
 
 
 
 
 
 
by幻想師キケロw