空の花 | 梟霊のブログ

梟霊のブログ

適当に詩をUPします。
評価に、興味なし
フクロウ大好き
きのこ大好き
山菜大好き
ハーブ大好き
とことん変り者なため・・・
絡み辛いこと必死
静かに、生暖かく見守ってください

空の花
 
 
 
涙を拭いた後が
真っ赤になっている
荒い息使い
飛び出した白いものが
青白い首筋に
必死にしがみ付いては
風に流されている
君は、嬉しくて泣いているわけじゃない
ごめんね・・・
僕のせい、だよね
 
無力
そんなものは理解している
お互いに
だけど、突然で
何かがこころを貫いて
穴を開けてしまった・・・
大きく、大きく
あの延長線の向こう側まで
見えてしまうほどの
穴を・・・
だから、痛むのだろう
君が、僕の服を抱きしめて
泣いている姿を眺めていると・・・
 
雪・・・
ちらほらと
ちらほらと
降り始めた
けれども
涙が止まる事は無いのだ
もしもこの手が
触れることのできるものならば
そっと抱き寄せて
行こうと、一言かけてあげられるのに
もどかしさで
僕まで悲しくなってきた
灰色で埋め尽くされた
空を見上げ
しゃがみ込む君の背に
僕の背中をそっと寄りかけた
 
時間だけが過ぎていく
とぼとぼと帰路に着く君を
同じくとぼとぼと見守る僕
うっすらと積もった雪を
しゃくしゃくと踏み潰し
重くなった足を引き摺っているのか
跡がやけに伸びていた
そういえば・・・
立ち止まり
離れていく君の背を眺めながら
思い出していた
初めて君とデートした日
名残惜しそうにちらつく春の雪を見て
即興で小さな物語を作り聞かせたことを
あのときの空は
真っ青で
あの冷たく嫌気が差していた
白いものが
羽のようにゆっくりと舞っていた
それがまるで花びらのように思えて
空の花と題して
面白おかしく言ったっけ・・・
なんだか懐かしいな・・・
もう追いかける気力も無く
追いつこうという意思も無い
今の僕に
これからのことを言えというならば
そう、そうだね・・・
本当の意味で
空の花になることぐらいかな・・・
 
 
失った悲しみは
まるでそう
君と言う中身を失った
硝子細工のような
美しい型枠だけを残す
それを思い出と言うのなら
私は、その思い出を今
握り締めて
くしゃくしゃに押しつぶしている
歪んだ世界が
まるで正しいといっているかのような
理不尽が受け入れられず
いつまでも
いつまでも
泣いていた
 
無力
そんなことは理解している
お互いに
だけど、突然で
何かがこころを貫いて
穴を開けてしまった・・・
大きく、大きく
あの延長線の向こう側まで
見えてしまうほどの
穴を・・・
だから、痛むのでしょうね
私が、君の服を抱きしめて
笑っている姿を思い浮かべると・・・
 
雪・・・
火照った頬に
そっとキスをしてくれた
心地よい冷たさに甘えて
また
大粒の涙を
溢した
溢した・・・
もしもこの手のひらが
もう一度君に触れることができたなら
そっと抱き寄せて
おかえりなさいと、一言かけてあげられるのに
じわじわと冷えていく背中を
認めることができなくて
瞳を閉じたまま
天を見上げた・・・
 
時間ばかりが過ぎていく
暗闇が
あの場所から私を追い出して
とぼとぼと帰路に着くしかなかった
繰り返す記憶の満ち欠け
うっすらと降り積もった雪を見つめて
不意にあのときのことを思い出した
冬の終わり
春の始まりの
境界線に立った日のことだ
綿のような雪が
花びらのように降ってきた
灰色のアスファルトを
真っ黒に染めるほどに
けれども
空は真っ青で
太陽もちゃんとそこにある
そのとき君が突然笑いだして
空の花なんて話を切り出した
その短い物語は
空には真っ白な雲という草原が広がっていて
そこには雪と言う花があり
冬にしか見ることができない
けれども
その咲き乱れる花びらを
青空の下で見ることができるのは
愛し合う二人の想いが本物であるときだけ・・・
今思えば楽しくもあり
馬鹿ばかしくもあり
幸せだった・・・
一本の街灯の下で
浮かび上がるそれと
暗闇に浮かぶ君の姿が
まるでそう
いまのことを示していたかのように思えて
私の頬に
再び熱い涙を流す
 
 
 
 
 
 
 
 
 
by幻想師キケロw