不吉
誰もいない世界に一人
草木が生茂る丘の上から
見下ろしている
なにを・・・
なにをだろう・・・
親しい人の死に顔が
カメラのフラッシュのように
目の前に現れて
体が跳ね上がる
けれども
今、目の前の君は
可笑しげに私を見つめ
へんなのという
遠くに渦巻くカラスの群れに
視界がガタつく
頭が痛い
右から左へ
何か、電気のような衝撃が走り去る
なにか
そう何かが近い
そんな気がする
判らないけど
あまりにも不吉な風が横切り
嘲笑っている
気持ち悪さに
こころの芯から
冷え込んだ
これが不安のまま
通り過ぎてくれるなら
どれだけ幸せなのだろう
そう考える日々
日に日に鮮明になっていく
一瞬の邂逅
私に何かを知らせているようで
必死になって叫んでいるようで
鼓動が次第に早くなる
鏡の中の私なのだろうか
未来の私なのだろうか
それとも
別世界の私?
それともそれとも、遠い世界の誰か・・・・
目を開けて君を見つめれば
重なってしまうほど
焼きついたその光景
楽しい会話も
嬉しい言葉も
楽しい空気も
すべて
その光に焼かれて
唇は声を失い、硬く震え出す・・・
首を傾げるその姿へ
知らせるべきか
黙ったまま誤魔化すべきか
振り子のように揺れる心臓に
私は、迷走する・・・
by幻想師キケロw