白狐
深い森の碧い苔
淡い光と銀の毛並み
力なく舞う蝶を
飛び跳ねては笑い
追いかける
知らぬ知らぬ世を生きる
昔々の子守唄
優しい優しい母の詩
一人なれど風は謳う
大地は、仄かにぬくもりを伝え
ほんのりと撫でた
山百合の香りに
静寂は抱きしめる
深い森の洞の奥
鋭い眼差しと白銀の声
流れ出る霧を切り裂いて
勇壮に飛び跳ねる
凜と佇み
見つめる先に
何を映すか
木々の葉は微かに囁き
咲き乱れる花は
穏やかに舞う
たどり着く光の子達
銀の毛並みにしがみつき
無邪気に笑う
あぁ、それを見つめる眼差しの
柔らかなこと・・・
白狐
汝、神と崇めしは
いつのことか
汝、神と崇めしは
いつのことか
紅き門に守られて
人よりはずれし世界の外れ
金色に染まる大地に
稲穂をくわえ
駆け巡る
夕陽に輝き
月下に輝き
駆ける、駆ける
どこまでも駆ける白狐
かの風を追い抜いて
山を越え
海を渡り
知れず、知れず
傍らに寄り添い
君の幸せを願う
あぁ、白狐
どこまで無垢で
尽くすのか・・・
by幻想師キケロw