隠者
はらり
はらり
深く被るフードの中より
小さな一文字も逃さぬと
本を読むご老体
動くものと言えば
ろうそくの炎を除けば
怪しく光る瞳と
後ろに控える景ばかり
ときたま手を宙に浮かせるが
またしばらく止まり
唸り声が響きわたる
塵と埃が、差し込むわずかな光を求め
さまよっていることも
差ほど気にならぬ様子
何に悩み
何を納得できないのか
習得すべき頂きは
まだまだ果てにあり
おおよそ生きているうちにたどり着けるかどうか・・・
といったところ
まったく
かのタロットに記された隠者に
すまして似せたものか
はたまた考えず似せたものか
眺めていれば
滑稽なものよ・・・・
by本蔵のキケロ